『軍幕』・・・それは汎用性の高さ、外見の渋さから一部キャンパーに多大な人気を誇るただの布。
数ある軍幕の中で僕はロシア軍の『プラシパラトカ』×4枚を手に入れました。一度使ってみた所、狂信的な軍幕信者へと昇進する事になりそうです。
そんな魅力だらけのプラシパラトカを今回ご紹介します。
↓動画はこちら↓
『軍幕』とは・・・
大戦中に使用された布で実際にポンチョとして着用したりシェルターとして使用されていました。
軍幕はコットンの為火に強く通気性は良い。多少の雨ならコットンが吸収するので内部まで浸透する事は少ないです。逆にポリエステルとは違い重く、汚れが目立ちやすいデメリットがあります。
そんな軍幕の魅力は何といってもその渋い外見。ドストレートにミリタリー系な道具なので男心くすぐられます。
形状は四角形や三角形があり軍によって様々。また色や柄も同様に軍や階級によって違いがあります。
機能性としては1枚でタープとして使え、2枚で簡易的な居住スペース、3枚以上でフルクローズ出来るシェルターが作れます。
キャンプで使う際は2枚以上で使う場合がほとんど。他の軍と合わして使用し自分好みの形状に変形張りする事も可能です。
昔は格安で投げ売りされるほど雑に扱われていましたが、キャンプで爆発的に人気が出てからは種類によっては1枚1万円以上で売られています。
人気のアメリカ軍の軍幕は2枚セットで3万円と価格が跳ね上がっており、最新のテントと変わらない価格です。
価格は天井に近づいてきた気がしますが、これから上がる可能性もあるので早めに購入するのをおすすめします。
『プラシパラトカ』紹介
今回僕が購入したのはロシア軍(旧ソビエト軍)のポンチョ。正式名称が『プラシパラトカ』というらしいです。
僕はフリマアプリで購入しましたが、AMAZONや楽天でも軍幕系は販売されています。
3枚16000円で出品されていたのをダメ元で4枚2万円で希望した所、了承して頂き少し安く取引が出来ました。
ここでお気づきでしょうか?先ほどまで「軍幕は高いよ!」と言っていたのに何とプラシパラトカは1枚5千円程で購入できるのです。
ちなみに同じ正方形型の東ドイツ軍は1枚1万円以上で売られています。この差については個人的な予想を後々説明いたします。
プラシパラトカは前期と後期があるらしく、それはボタンとハトメ、印字されている文字からわかるようです。
僕のプラシパラトカはボタンが木製でハトメが革で作られていたので前期にあたります。文字はよくわからなかったです。
中にはレプリカも存在するらしいのですが全て独特なオイル臭がしたのと色合いから本物だと思われます。というかそうだと信じたい!
重さは1枚あたり約1.3kg。4枚なので合計5.2kgになります。
そこにポールがついて約7kg弱といった所でしょうか。ソロ用テントでは重いタイプになります。
大きさは約170㎝×170㎝の正方形で広げると中々大きいです。
プラシパラトカはポンチョとしても使用できるので実際に着てみました。
着方は若干難しかったですがネットを駆使して何とかなりました。日本人の僕にはぶかぶかで、しかも右手しか出せないので中々不便。
実際にこのポンチョの使用方法の動画を発見致しましたので貼っておきます。
ロシア語は全くわかりませんがプロが使うと凄いですね。
僕も悪質なキャンパーが来たらプラシパラトカをまとって隠れる事にします。
カスタマイズ
プラシパラトカはハトメを使ってタープとして使用できますがパップテントのような張り方をする為には自分で加工しないといけません。
まずは木のボタン部分がとても硬くスムーズに開閉ができないので端を少し切ります。
切りすぎるとブカブカになるので一回切り付ける度に確認しましょう。
そして大変なのがボタン止め。これがプラシパラトカが安い理由だと思います。
同じ正方形の人気幕の東ドイツ軍幕はボタンが多数つけられているので最初から使用できます。
プラシパラトカはポンチョとして固定する1辺にしかボタンがないので連結させる為には追加でボタンを取りつけないといけません。
数が多く最初は辛いですが慣れてくると楽しくなりました。手がかかる子ほどかわいいって言いますしね。
詳しくはこちらで紹介しています。
実際にキャンプで張ってみた!
先日の『神石高原ティアガルテン』でのソロキャンプで張ってみました。
この日は猛暑で雨も降ってくれたのでプラシパラトカの初戦としては最適でした。
もしもの為にヌノイチを持って行ったのは内緒の話。
2枚連結してみると身長180㎝の僕が寝ても余裕の広さ。シートにしても十分使えそうです。
設営方法等の説明書はもちろんないので自力でパップ式に近づけていきます。完成写真はネットで見つけたのでそれを参考にします。
設営
後幕3枚、前幕1枚のT字になるようにボタン止めしたらペグ打ちはせずに両サイドのポールを建てていきます。ポールの長さは150㎝にしました。
ポールの高さとガイロープの長さを考えてポールから45度の角度に2カ所ペグダウンします。タープを張った事がある方なら簡単に出来ると思います。
ポール部分はボタン止めせずに3枚のハトメを重ねてポール先を通しています。
ハトメの順番を間違わないように注意。風による抜け防止でポールエンドロックを取り付けています。
全ての幕をボタン止めした場合はポールの先にポールエンドロックを取り付けて幕の内側から固定する事ができます。
隙間が出来にくいので雨の侵入を防ぎやすいです。
あとは前幕を跳ね上げて、各所をペグダウンしていけば完成。
軍幕シェルターは低く、狭いイメージがありましたが4枚も連結すると巨大になりますね。
高さはポールと同じ150㎝でチェアに座っても頭がつかないです。広さはヌノイチと同じくらいに感じます。むしろこっちの方が広いかな。
斜めから見るとすごくかっこいい!この色合いと佇まいを出せるのは軍幕だけ。最新の綺麗なテントは敵いません。
一つ残念なのが両サイドの幕が凄く余ったこと。ネットの完成写真だと綺麗なのですが僕のはダボダボしてます。
これ以上高さを上げると逆に前後の幕の長さが足らなくなるので諦めるしかなさそう。
ペグは前幕も入れると15本も使っています。ヌノイチと変わらない多さ。
直接固定する場合は革のハトメが傷ついたらいけないのでダイソーで売られているキャンプ用の伸縮ロープのピンチを変形させて固定しています。
引っ張ってテンションをかけれるのでとても良い。
設営方法は動画で簡単に紹介しています。こちらも是非参考にして見て下さい。
キャンプ開始
右隣にファミキャンさんがきたのでヌノイチのサブ幕で目隠し&日除けにしました。
簡単に変形、追加ができるのが軍幕の良い所。ロシア軍幕もう1枚くらい追加購入しようかな。
キャンプ道具はミリタリー系で揃えました。
古参のノルウェー軍のフードコンテナから前回ご紹介したスウェーデン軍のアンモボックス、そして新人のポーランド軍のアンモボックスを配置しています。
最近僕の頭の中はヴィンテージミリタリー品でいっぱい。
軍幕はコットンで火に強い為幕下での焚火は余裕。直接当たると燃えますが、火の粉程度であれば最悪穴が開く程度。
今回はauvilのラウンジファミリーテーブルにコンパクト焚火台をドッキングして焚火と調理を楽しんでいます。
夜は軍幕の写真映えタイム。様々な角度からパシャパシャ撮りまくりました。
パップテント式も良いですがワンポールでコンパクトにした方がミリタリー感は増す気がします。
夜に雨がポツポツ降ってきました。
2時間程降っていましたが内部に浸水してくる事はありませんでした。コットンが雨を吸収しているのでびしょ濡れにはなってます。
浸水はなかったですが跳ね上げている前幕と後幕の間から雨が入ってきます。その為高さを調節するか別の幕で防ぐと良いでしょう。
翌朝。昨日の雨浸入防止の変形状態をキープしています。
サブ幕に合わせて高さを出し、反対側を下げる事で雨の通り道を作っています。前幕を真っすぐの状態にしていると雨が溜まり倒壊する危険があるので高低差を出すのがおすすめです。
昨晩の雨で一番濡れたのは両サイドの幕。傾斜もなく地面に垂れているだけなのでしょうがないですね。
撥水加工をしていないので水をたっぷり吸いこんでいます。
コットンに水分は最悪、しっかり乾燥させます。
乾燥する際も4つに分割できるのが便利です。両手で持って振ることができるし乾燥が遅い部位だけ外して先に干す事もできます。
意外と収納も分割できることでコンパクトになるのでありがたい。今の所軍幕のデメリットが少ないな。
良い所、悪い所
それではロシア軍『プラシパラトカ』の総評といきましょう!
良い所
・かっこいい
・コットン
・汎用性が高い
一番の良い所は外見のかっこよさ。どんなデメリットがあっても「かっこいい」でかき消されます。
テントを購入する時に適当に軍幕を選ぶ人はいないでしょう。最初から軍幕に取り憑かれたキャンパーのみが購入しているのです。
そんな軍幕はフルコットンで出来ているので火に強く、通気性が高く頑丈。使用する際は複数枚を用いるので汎用性が高くどんな天候、季節にも合わす事が可能です。
というお堅いメリットを挙げましたが、結局は最初の「かっこいい」が全てです。
悪い所
・ボタン追加必須
・汚い&臭いあり
・設営にコツがいる
プラシパラトカをタープとして使用する分には良いですが、複数枚や他の軍幕と合わせる時はボタン追加は必要な作業です。
ボタンがなくても設営は出来ますが幕同士の隙間が開くので急な雨に対応できませんし、綺麗に張りにくいです。
軍幕全てに言えますが複数枚の設営が最新のテントと比べると難しい場面があります。先駆者のレビューや動画を見て参考にしましょう。
そして軍幕は倉庫に長期保存されていたデッドストック品がほとんどなので新品同然のような美しい物はありません。独特のオイル臭は僕はむしろ好きでしたが妻は「それ臭いわ」と言っていました。
最後に・・・
究極の自己満道具『軍幕』は想像通り最高のぼろ布でした。僕は手元に届いて開けた瞬間にマッハで軍幕沼に頭まで浸かりました。
子供の頃に感じた何とも言えないかっこよさとワクワク感が身体を駆け巡りました。
これからはプラシパラトカ中心のキャンプになると思います。最近出番のないギギ‐1がかわいそうですがしょうがない。あとサーカスコットンもごめんなさい。
新たなキャンプスタイルに入る時が一番楽しい時。全身全霊で楽しませてもらおう
それでは今回はここまで!
皆さんも良いキャンプライフを!!
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