『ハッピーシュガーライフ』10巻の簡単なあらすじと感想です。
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44th Life 暴悪
三星太陽からの強襲を経て、エレベーターで神戸あさひが昇ってくると考え、松坂さとうと神戸しおは非常階段から下りようと画策する。
だが先に予想していたあさひが非常階段から襲い掛かってくる。
催涙スプレーを噴射し、今度はエレベーターへ逃げるがあさひは執拗に追いかけてくる。
不意打ちをくらわそうと構えていたさとうであったが、三星を盾にされあさひに詰め寄られる。
それからしおの前で二人は「暴力」を与え続け合う。
しおが「やめて」と声をあげるのも遅く、あさひが振りかぶった金属バットはさとうの右足の骨を折った
形勢逆転か、さらなる緊張が両者に走る。
45th Life 神戸しおの原材料
さとうに最後の一撃を与えようとバットを振り上げるあさひであったが、間一髪の所でしおの叫びが届き動きが止まる。
そうあさひが伝え、手を引いてしおを連れて行こうとする。
だがしおは嫌がり、さとうと一緒にいると答える。無理矢理にでも連れて行こうとするあさひ。
乱暴しないでというさとうの言葉に父親がしてきた事を重ねてしまい立ち留まるあさひ。その瞬間さとうは折れた足を酷使してしおを奪還する。
折れないしおを説得するべくあさひは真実を伝える。
母親の神戸ゆうながしおを叩いた時、ゆうなは父親と同じようになってしまう事を恐れた。だからしおから離れようと手放した。その後、帰宅してから父親を毒殺したと涙ながらにあさひは伝える。
続けて手放した時、しおの事をいらないと言ったのではなく、しおにとって自分はもういらないとゆうなは言ったと伝える。
しおは思い出す。目の前で必死に説得する兄と不器用ながら愛してくれた母親の事を。
彼女らのぬくもりがあったからこそあの日まで生きてこれたんだという事を。
46th Life I
マンションの火災は燃え広がりマンション前には逃げ惑う人々、多数の消防車で大事となっていた。
三星は消防隊に救助され、さとうの叔母は何を思ってか、マンションを眺めていた。
マンション内では、しおを呼び止める二つの声が。
さとうとあさひ。実の兄へ向かうか、殺人者でありながら愛し合った者へ向かうか。
ふと過去の自分があさひに引っ付いている幻影を見る。
それを見てしおは答える。
「お母さんに伝えて、私を地獄からときはなってくれてありがとうって」
驚くあさひに続けて
そう告げた瞬間足元から爆風が起き、さとう、しお達とあさひを分断する。
あさひはただしおの名前を叫ぶことしかできなかった。
広がった火により屋上まで逃げてきたさとうとしおは目を合わせ
しお「行こ、さとちゃん」
さとう「しおちゃん、私を選んでくれてありがとう・・・」
47th Life しあわせの体温
全ての計画が失敗に終わり、絶望するさとう。
それを見てしおは「大丈夫だから」と励ます。
二人の愛を確かめ合った後、しおがこう笑顔で告げる
「一緒に死のう、さとちゃん」
その言葉を聞いて、さとうも笑顔で
「しおちゃん、初めて私が愛した人、大好き」
と応える。
二人は今までお城で過ごした日々を思い出しながら、屋上から飛び降りる。
落下する中、さとうはしおが自分にしてくれてきた事を改めて思い出す。
そして本当にしおに伝えたい言葉がわかり、精一杯の気持ちで伝える。
そう伝えると、さとうは力強くしおを抱き地面に背を向ける。
地面に衝突してからしおは生きていた。冷たくなったさとうの手を握りながら。
Last Life ハッピーシュガーライフ
目が覚めたしおは病院のベッドの上にいた。
世間ではマンション放火事件のニュースが流れていた。飛騨しょうこの焼死体が見つかり、さとうが転落死、さとうの叔母と教師の北埋川大地は放火の疑いで逮捕された。三星は度重なるショックのためか壊れてしまった。だが、ポケットにはしおのチラシが入っていた。
全てが終わったあさひはしおのお見舞いに訪れる。
マンションの時と同様に再度説得するあさひであったが・・・
しおは拒絶する。
そして・・・
「だって私は生まれ変わったんだから」
と話す。その瞬間あさひにはしおの姿にさとうの面影を感じた。
そしてしおは点滴を外すと、外にいる母親には目もくれず病棟内を歩き出す。
指輪2個をはめ、さとうのスカーフを握りしめ、さとうがなぜ生かしたかわからないが何をしていてもさとうの事を考え続けると決心する。
そして時がたち、成長したしおは彼女たちの「お城」に帰ってくるのだった。
感想
いや~終わっちゃいましたね~。これはバッドエンドいいんでしょうか?
やはりさとうを選びましたね。この流れであさひを選ぶのはおかしいとは思いますが。
おそらく、しおは二度生まれ変わっているのでしょう。それは誤解ではありましたが母親から捨てられた時と最後の飛び降り自殺した時。
作中でも母親に捨てられた時に一回死んだんだよと言っていましたよね。そしてさとうとあさひを選択する時に出てきたあさひにくっついていた過去の自分の幻影。
あさひや母親には生まれてから捨てられるまでのしおがいて、それ以降はさとうと共に過ごしたしおがいたんでしょう。
そう考えると話がわかりやすく見えていきます。となると最後はある意味一心同体となったさとうとしおの共同生活といった感じでしょうか。
そうなるとあさひや母親はしおちゃんにとって他人な訳で、さとうがいるから「私そういうの(肉親関係)もうやめたの」という発言に繋がるのでしょう。
血の繋がり以上に繋がってしまった二人の愛には脱帽するしかありませんね。というか怖いわ。
最後に駄文を・・
今巻で思ったんですが、あさひくん超人じゃね?
- 不意打ちとはいえ不良をも倒すさとうと互角以上に戦える戦闘能力。
- 催涙スプレーをくらってもその後も普通に襲い掛かる継戦能力。
- 完全に脱力しきった三星をエレベーターまで運ぶ腕力。
1はしおを救いたい一心で(文字通り)火事場の馬鹿力であの戦闘能力があったのかも。あとさとうと戦うという姿勢から入ったので不意打ち系が多いさとうは苦戦した可能性が高いですね。
一応彼女も人を殺しているとはいえ、女子高生ですからね。
2は本当にすごいですよ。実は防いでいたパターンの可能性が高いですが、見た感じ完全に当たっているんですよね~。
あのスプレーもよく見ると「防犯」と書いてあるのでけっこうガチめの催涙スプレーだと思われます。もし食らっちゃうとどうなるかというと・・・
顔面に強烈なパンチをうけて、顔中に針が突き刺さり、あまりの痛みに目は開かず、その激痛が数時間ずっと続くようなものです。
痛いと感じた瞬間から、その痛みは激痛となり、さらに顔中に広がって、皮膚に浸透し顔の奥深くまで耐え難い激痛が襲い、何も考えられないどころか立っている事もできずうずくまります。私は昔足のスネを骨折した経験がありますが、はっきり言って比較にならないほどの痛みです。骨折のほうが遙かにマシな痛さ、尋常ではありません。
こんな症状がほんの数秒で現れ、手当しても1時間は動けるようにはなりません。
との事です。うん、人外かな?
3は僕がリハビリの仕事で脱力した人を動かす事がよくあるのですが、マジで重い。逆に筋肉を収縮させて固めてくれている方が動かしやすいんですよ。
護身術でも後ろから羽交い絞めされたら脱力しろと習った事がありますし、それくらい脱力した人間ってのは重いのです。
ちなみにあのマンションは2LDKくらいだと思うので、それが数えたところ10部屋あるんですよ。それで三星くんが倒れていたところが305号室。エレベーターと非常階段は両極にあると言っていましたよね。
となるとマンションの半分くらいの所から端まで運んだことになります。本当にすごい。怪力か。
何となく、三星くんがふらふらになりながら一緒に走って連れてこられた説もありそうな気がしますけど、それでも速い。
父親の血が確実に入っていますね。恐ろしや。
なんか案外話が延びてしまいました。駄文でした。
約4年間も連載していたんですね。そう考えると短かったような長かったような、ドロドロ展開恋愛漫画はクズの本懐と同じくらい好きでした。
ありがとうハッピーシュガーライフ。
それではみなさんも良い漫画ライフを!!