双葉社、柳本光晴作『女の子が死ぬ話』のあらすじと簡単な感想です。
目次
あらすじ
高校入学初日、少女漫画のような青春に憧れる千穂に、2人の友達が出来た。とてもカッコイイ男の子・和哉と、人形のように可愛い女の子・遥。和哉への淡い恋心を抱きながら3人で過ごす充実した学園生活。しかし、ある日、はるかは千穂と和哉の前から、突然姿を消してしまう・・・。
女の子が死ぬ話 (アクションコミックス(月刊アクション))背表紙
簡単な流れ
①千穂視点スタート:遥&和哉と遊ぶ→遥が急死→高校卒業時に和哉と付き合う→10年後結婚し子供と共に遥の墓参りをする
②和哉&遥視点:遥入院→一ヶ月後和哉病室へ押しかける→遥にキスしようとするも拒まれる→来るなと言われたが夜間に再度遥の元に訪れキスをする
③8年前和哉&遥視点→動物園でフェネックを見る二人
和哉の純愛、これから死ぬ遥の思い
いつもの表紙買いではなく、タイトル買いしました。
泣けはしませんでしたが、グッとくるものはありました。
読み終えてまず思ったのは、「この漫画は和哉の純愛漫画だな」でした。
和哉はこれまで遥に合計10回告白し、振られています。そして病気が進行し、髪は抜け落ち身体はガリガリになった遥の元へ押しかけます。
その時一方的にキスをしようとする和哉に遥は
女の子が死ぬ話 (アクションコミックス(月刊アクション))より
と言います。この言葉はなかなか突き刺さりました。死ぬ間際だからキスするなんて一種の同情です。
そして続けて「二度と来ないで」と言われるのですが、そんな事を言われてもへこたれずに夜に再度やってきます。ですが・・・
女の子が死ぬ話 (アクションコミックス(月刊アクション))より
と言われ和哉はしょぼくれてしまいます。
本当は遥も和哉の事が好きなんですが、これ以上自分の今の姿を見せたないのと、もうじき死んでしまうから和哉に依存してほしくなかったんでしょう。
遥はめっちゃいい子だな。そして和哉はどこまでも遥の事が好きだったんだな。
か、和哉くん・・・?
だがちょっと待て!いい話風だが気になる所はあるぞ!和哉さんよ~。
高校卒業前に急に「好きだ」と告白し「遥の代わり?」と聞かれ、その返しで・・・
女の子が死ぬ話 (アクションコミックス(月刊アクション))より
とこう言ってますよね。「どのタイミングで好きになったんだ?」っていうのは置いときましょう。
卒業後は和哉は東京、千穂は地元とおそらく遠距離恋愛になって何とか結婚したと思うんです。
そして遥の墓参り中に・・・
女の子が死ぬ話 (アクションコミックス(月刊アクション))より
それな!この後和哉ははぐらかして、子供と追いかけっこします・・・。
まぁ確かにいくら遥の事が好きだとはいえ、死んだ後も想い続けて生涯独身ってのはないだろうなとは思いました。
だけど千穂に本当の気持ちくらい伝えてもいいんじゃない?千穂的にはホント「遥の代わり」って感じですよね。
千穂も大人になった為か、「和哉はしばらく借りとくね」と独白していますが、それでいいのか!千穂ー!
まとめ
和哉のある意味どこまでも純愛さがわかった内容でしたが、分厚いとはいえ1巻完結の漫画のためしょうがないんでしょうか。
どうしても省略されている所があるので少々気になりました。上下巻で分けてもよかったんじゃないかな。
まぁでもスラスラと読みやすい内容、ストーリー構成なので良かったです。
最後に・・・
個人的一番好きなシーン(笑)
女の子が死ぬ話 (アクションコミックス(月刊アクション))より
女の子同士とはいえ思いっきりグーパン!千穂恐るべし・・・(笑)。
余命僅かな女の子とその周囲の人物のラブストーリー『女の子が死ぬ話』。読んでみてはいかがでしょうか?