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『死刑執行中脱獄進行中』:荒木ワールド全開!ま、まさか吉良!?

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ジョジョでおなじみ荒木飛呂彦先生、短編集『死刑執行中脱獄進行中』の簡単なあらすじと感想です。

 

 

 『死刑執行中脱獄進行中』

・あらすじ

殺人の罪で死刑の判決を受けた囚人27号はとある牢獄に通される。彼はそのホテルの一室の様な牢獄で執行を待っていたが、次第にその部屋の異質さに気付いていく。実はこの部屋こそが処刑室であり、死刑執行はすでに始まっていたのである。

死刑執行中脱獄進行中 荒木飛呂彦短編集 - Wikipedia

・感想

こんなストーリーを考える荒木先生さすがです!

あらすじの通り、普通の部屋に様々なトラップがあり実は死刑執行部屋だったという内容ですが・・・トラップがえぐい!

ただ単に床から剣が生えたり、隠しボタンを押したら矢が降ってくるとかそんなありきたりなものではなく、電灯のスイッチをつけようとしたら蜂の巣が近くにあって刺されたり、わざと椅子に切り込みが入れてあり転げた拍子に角材が刺さるなど変わっています(笑)

特にスプーンで壁を削っていったらミンチマシーンがあり指が切断されるトラップはえぐいです。なんか拳銃などより身近にあるものが凶器になる方が怖いですよね。

あと案外この主人公の最初の独白が気に入ってます。その文章だけでこの人物の性格がすぐわかりますし、妙に凝っている所がいいですね。

最後の終わり方もほんと良かった。バッドエンドに近いのかな~?まぁ死刑囚ですからね、ハッピーエンドかも?

 

『ドルチ~ダイ・ハード・ザ・キャット~』

・あらすじ

洋上に浮かぶ転覆したヨット。一級建築士、愛子雅吾とその飼い猫、ドルチはそこで救助隊が来るのを待っていた。しかし、食料も水も尽きた状況で、ついに雅吾は生き延びる為にドルチを食べる事を思いつく。

死刑執行中脱獄進行中 荒木飛呂彦短編集 - Wikipedia

・感想

もう2代目イギーだろ(笑)

なんで荒木ワールドの動物達は知能が高いんでしょうか?このドルチも最後(愛子雅吾の幻覚かもしれませんが)人語を話してますからね(笑)

あと一緒に遭難した愛子雅吾という人物がどんどん狂気に取り込まれていくのがよくわかり、生存をかけた極限状態になると人間はこうまでなるのかと少し怖かったです。

まぁこいつ人殺してるんですでに普通じゃないですが・・・。「WRYYYYYYHAAA」って言ってるし吸血鬼かも(笑)

でもこの殺人者と猫のドルチの命を賭けた戦いは見ものです。人間の知能とただの猫!生き残るのはどっちでしょう?(何となく分かる気がしますが・・・)

 

『岸辺露伴は動かない』

・あらすじ

漫画家、岸辺露伴はイタリアへ旅行に行き、ストーリーの新展開のための取材を行っていたのだが、懺悔室の内部を調べていたときに偶然一人の男が懺悔に現れる。「体験は作品にリアリティを生む。」そう考えた露伴は自分が神父ではないことを打ち明けず、男の懺悔に耳を貸す事にしたのだが…。

死刑執行中脱獄進行中 荒木飛呂彦短編集 - Wikipedia

・感想

懺悔してる場合じゃあねえ!

懺悔してきた男は大金持ちなのですが、それは昔殺してしまったホームレスの呪い(スタンド能力?)によって得たお金で、その悪霊ホームレスは人生の絶頂期に迎えに行くと告げてきます。

そのホームレスが提示してきた解放してくれる条件がひどいですね。まさかよく子供がやるお菓子投げてお口でキャッチとは()ですが生死がかかっている為、まさに必死なポップコーンキャッチです。

荒木先生のこういうギャップを使った話はほんとおもしろいですね。

この結果悪霊ホームレスは懺悔してきた男を殺す事は出来ませんでしたその理由はホント単純な事なんですが、その前のポップコーンキャッチが印象的すぎて考えることを忘れてしまいます。

ていうかこの悪霊ホームレスみたいなスタンド5部でいたな。声を操る能力だったけ?微妙だったな(笑)

 

『デッドマンズQ』

・あらすじ

記憶を失った幽霊吉良吉影は心の平穏を求めて殺し屋をしていた。そんな中、依頼主の尼僧から「『軍人の家に住む者』の殺害」として、幽霊屋敷ならぬ「屋敷の幽霊」に住む者の殺害を命じられ、S市杜王区を訪れる。

岸辺露伴は動かない - Wikipedia

・感想

まさかの吉良吉影! 

これはやっぱり死後の吉良ですね。顔全然違う気がするんだが、髪型の問題かな。

何事にも細かい所とか、対象は殺人者に変わったけど人を殺している所とか(笑)あと幽霊になってもグリーン車の切符を買ったり、仕事中にも他の気になることを考えたり吉良らしい!(笑)

このデッドマンズQは話が2つありまして、一つは時効寸前の殺人者の殺害。あと一つはあらすじの内容です。

短編とはいえ内容が濃いですね。幽霊は住人から許可されないと部屋に入れなかったり、幽霊で溢れないように「魂の掃除屋」なるものがいたり、設定が細かい!あの尼さんは何者なんだ?

長編で見たいですね~。短編で終わるのはもったいない。荒木先生もあとがきで言っていますが短編用のアイデアは長編にまわしてしまうらしいです。その為短編はあまり書かないらしいですね。

 

こんな人におすすめ

・荒木ワールドに浸りたい人

・吉良のその後が気になる人

・普通の話の展開に飽きた人

 

波紋やスタンドが出ない荒木飛呂彦ワールド『死刑執行中脱獄進行中』。一冊読んでみではいかがですか?